予め布の使用量を見積もれる洋裁と違って、編物の場合は毛糸の使用量を見積もるのがちょっと難しい・・・
本と同じ毛糸を使う場合は、本に載っている量(玉数)を用意すれば良いのですが、本と違った糸を使って編む時、どの位糸を使うかを自分で見積もりをしなくてはなりません
本の指定糸は、ハマナカ・ポームコットンリネン
綿60%・麻(リネン)40%
1玉:25g・約66m
かぎ針:5/0号
Hさんが、買ってきたのは、ホビーラホビーレ・ラスティックリネン
麻(リネン)100%
1玉:50g・約80m
かぎ針:5/0~7/0号
本では90g使用していたので、Hさんは2玉(100g)買ってきたのですが・・・
ちょっと足りないのでは?
素材が同じ(例えば両方とも綿100%)で、糸の太さが同じだったら、
別の糸でも、同じ使用量でたいてい大丈夫です。
ただ、今回は、素材も違うし、糸の太さも違う・・・
洋裁だったら、素材や布の厚さが違っても、
(布幅が同じなら)用尺は同じで簡単なのでしょうが、
編物は使用量の判断が難しい
糸が変わっても、同じものを作りたい(=同じ面積編みたい)と言うとき、
編む「面積」に、より素直に比例するのは、
糸の「重量」より、糸の「長さ」ではないでしょうか?
見本作品は1玉25g・66mの「ポームコットンリネン」、90gで編めていたので、
使った「ポームコットンリネン」の糸の長さは・・・
90÷25×66=237.6で、「237.6m」
「同じ作品を編むのには、(糸が変わっても)ほぼ同じ糸の長さが必要」と考えると、
「ラスティックリネン」の必要量は・・・
237.6÷80×50=148.5で、「148.5g」
100gでは、どうも足りそうにありません。
1玉、早めに買い足しておいたほうが良さそうですね。
使用量を考えるとき、単に、「重量」を考えるだけでなく、
「糸長」を考えるは、一つの良い考えだと思います。
ただ、編むときには、もっと正確に言えば「面積」ではなく「体積」が使用量に関係するので、
糸の太さ(糸が太いほど、編地に厚みが出て、「体積」が多くなる)が関係してくるし、
素材による「比重」の違いも関係してくるので、
上の太字部分の前提は、実際にはこんなに単純ではないでしょう。
「ラスティックリネン」で編む場合の使用量も、
計算ピッタリではないと思いますが、
「100gでは足りない」というのは、間違っていないのでは?
使用量を考えるとき、
その糸の「糸長」のことを考えるのを忘れないでねと。
編物教室ブログ「ニットスタジオ104日記」2008年7月24日の記事「糸の使用量の見積り方?」を加筆修正して再掲載